不思議な話 / %e4%b8%8d%e6%80%9d%e8%ad%b0%e3%81%aa%e8%a9%b1
真夜中の砥石屋さん
僕は社会の皆さんができるほとんどのことができません
朝は起きれません、時間は守れません、話を聞かないので会話は成り立ちません
しかしそんな僕でも約束は守ります
事業を行うにあたっての大切な約束の一つに納期があります
砥石生産は10個作れば10個販売できるわけではなく、歩留まりは8%くらいなので、10個販売しなければならないときには100個くらい造る計算になります
なので注文が重なったとなれば朝も夜も関係なく山に篭るのですが、今日は真夜中の砥石山の話をしようと思います
真夜中の砥石山には僕と師匠と動物がいます
師匠は朝も昼も夜もいるので、いつ帰っているか分かりません
真っ暗の中を重機の灯りだけで作業をしています
動物は鹿と猪が主です
鹿に関しては公共の道路の真ん中をゆっくり歩いているので、夕方以降の運転は恐怖です
猪は崖から落ちてきたりします
そんな動物たちを見つけたらとりあえず僕はさっさと逃げますが、師匠は猪を見つけるとスコップを持って追いかけています
これが僕と師匠の知恵の差です
尊敬がやみません
ある夜、工場で石を切っていると、ドアのノックが鳴り響きました
師匠かと思って駆け寄ると誰もいません
いつものことなので、気にせず仕事をしていると、今度は師匠が入ってきました
僕は「ノックした?」と聞くと、師匠は「してないけど、お客さん来とる?」と聞いてきます
真夜中AM2:00は回っています
どう考えたらお客さんがいるのか分かりませんが、「絶対おらんやろ」と僕は答えました
すると師匠は「重機の周りを子連れのお母さんが歩きよんよ、危ないけん降りて注意しに行ったらおらんなったけん」と言っています
僕は怖い話をする人が大っ嫌いです
「おるわけねぇやろ」と言ってガクブルしながら仕事に戻りますが、夜中の工場は度々ノックをされるので、怖い話は聞きたくないです。。。